2024年3月アーカイブ

こんにちは、アヴェニューセルクリニック院長の井上啓太(いのうえけいた)です。

 

今回は、幹細胞治療に関する患者様からのご質問パート2です。

前回のパート1のブログはこちらをご覧ください。

幹細胞治療に関するよくあるご質問

 

5つのご質問に対して回答させていただきます。

 

幹細胞治療質問パート2.png

 

1、PRPと幹細胞治療の違いは何ですか?

 

PRPとはPlatelet Rich Plasma(多血小板血漿療法)の略です。

PRPは、体の傷から出血を防ぐ役割の血小板を濃縮したものです。

作り方としては、血液を採血してその血液を遠心分離などで濃縮し血小板が多い部分を抽出します。

 

遠心分離機.pngその濃縮した血小板(PRP)を肌に打つというのがPRPの治療です。

PRPは血小板が濃縮されたものなので、体の傷を治すとされる成長因子がたくさん含まれています。

それに対して幹細胞は、成長因子を産生する細胞を打つという治療になります。

 

PRP.png

目的は肌に成長因子を届けるということではPRPも幹細胞も同じですが、PRPの方は成長因子そのものを打ち、幹細胞は成長因子を作る細胞を植えます。

PRPは成長因子そのものを注射し、消費されると効果が切れます。

それに対して幹細胞は注射するとそこで生着し根付きます。

根付いた先で成長因子を肌の中に放出し続けるので、幹細胞は持続期間が長いという違いがあります。

 

あとは注射箇所の腫れが違います。

PRPは若干炎症を起こしやすく腫れる場合があります。

幹細胞に関しては腫れがほとんど出ないという違いがあります。

 

2、コラーゲン・ヒアルロン酸注入と幹細胞治療の違いは何ですか?

 

これも先ほどのPRP・幹細胞の違いと少し似ています。

コラーゲン・ヒアルロン酸というのは肌を作っている成分になり少なくなると、肌はシワが出てきたりボリュームがなくなってきて、ハリがなくなりカサカサになります。

コラーゲン・ヒアルロン酸そのものを注射することによって、若い時の肌のようにするというのがコラーゲン・ヒアルロン酸注射の治療目的になります。

それに対して幹細胞を注射するとヒアルロン酸やコラーゲンを作りますが、注射箇所に生着をすることで持続的にヒアルロン酸やコラーゲンを肌の中に放出し続けることができます。

PRPの質問と同様で効果が持続するという特徴があります。

 

またコラーゲン・ヒアルロン酸は注射をするとボリュームがあるのでポコっと膨らむ様な仕上がりになります。

一方、幹細胞というのは小さい粒なので注射をすると膨らんだり腫れたりすることがあまりありません。

その様な違いがありますので幹細胞治療の仕上がりとしては、やや自然な仕上がりということになります。

 

3、顔以外に施術可能な部位はありますか?

 

幹細胞は皮膚であればどこでも打つことができます。

人気があるのが首と手の甲です。

首や手の甲は年齢が出やすいので、顔に打つのと同時に首と手の甲に打たれる方は結構いらっしゃいます。

ただ、首や手の甲は顔に比べて面積が広いで、顔と首だと幹細胞は約2倍必要になります。

手の甲までになると約3倍必要になりますので、顔の幹細胞治療を行ったついでにはできないのでご注意いただきたいと思います。

 

4、幹細胞治療における培養の過程や保管期間を教えてください

 

細胞培養はかなり歴史が古い技術です。

現在の細胞培養は、ほとんどのケースでプラスチック製のお皿やフラスコと呼ばれる容器の中で培養をしています。

細胞を一粒一粒バラバラにして、それをプラスチックの表面に培地(ばいち)という栄養の入った液体と一緒に流し込みます。

そうすると液体の中にフワフワ浮いていた細胞がプラスチックの底に沈んでいきます。

そこで接着して分裂して増えていくのが培養です。

 

培養.png

培養は面積で細胞の数が決まるので、数を増やしたい場合は面積をどんどん増やしていくことで細胞の数を増やすことができます。

一回の幹細胞治療に使う数は約1億個です。

これを育てるため面積にするとA4サイズの三枚くらいの面積が必要で、2〜3週間の期間がかかります。

 

保管期間は当院では1年間凍結保存をしています。

技術的には5〜10年間保管してもさほど変わらないといわれていますが、温度の管理が疎かだったりすると細胞によくない影響が出ます。

あまり長く凍結保存するのはよくないとされています。

 

5、癌化するリスクはありますか?

 

幹細胞が癌化するリスクはほぼゼロです。

幹細胞がよく混同されるのが万能細胞と呼ばれている細胞で、ES細胞であるとかiPS細胞です。
 

ES細胞:受精卵の一部からできる細胞

iPS細胞:ES細胞をモデルにして人工的に遺伝子導入をして作る細胞

 

このiPS細胞は非常に優れた発見でしたが、最初は遺伝子導入する遺伝子の入り方によっては癌化してしまうことがありました。

現在、癌化のリスクを下げる研究をしていて安全性が高まってきて臨床に近づいてきているという状況です。

 

私たちのクリニックで用いているTOPs細胞®は間葉系幹細胞になります。

間葉系幹細胞はiPS細胞などと違い、遺伝子を導入したりすることはないです。

元々身体の中にある細胞をそのまま増やすだけなので、癌化するということはありません。

細胞培養の過程でできあがった細胞の形や増え方を観察して、癌化していないと確認することができます。

数多くの治療例が世界中でありますが、幹細胞治療を行ったということで癌化のリスクが上昇したという報告もございません。

ですから癌化についてはご安心いただければと思います。

 

このような疑問点などありましたらお気軽にご相談いただけますと幸いです。

 

こちらの内容は動画でもご覧いただけます。

 

240302_01.jpg
中高年になると膝の痛みを抱えている人が増えるというお話を前回しました。高齢になるほど膝関節の痛みに悩まされ、その多くは「変形性膝関節症」といわれています。症状のある患者数は約800万人、レントゲン画像で変化が認められる人は約2500万人いるといわれています。
立ち上がるときや歩きはじめるときに痛みがある人は、もしかしたら変形性膝関節症の初期症状かもしれません。
今回は、中高年を悩ませる変形性膝関節症について松﨑医師が解説します。
 

変形性膝関節症の主な原因 

大腿骨と脛骨が連結する部分が膝関節です。その構造については、前回(Vol.3)で解説しました。やわらかくツルツルとした関節軟骨や半月板、滑膜があることで、膝関節への衝撃や負荷をやわらげてくれています。
しかし、ケガや加齢によって軟骨がすり減ることで膝関節が変形し、痛みや腫れが起こります。それが「変形性膝関節症」という病気です。
原因が明らかなものは1ー2割程度で、それ以外の変形性膝関節症はこれだという一つの原因はなく、さまざまな要因が重なり起こります。
 

スポーツでのケガなど外傷後に起こる二次性変形性膝関節症

過去に足を骨折したことがある、ハードなスポーツで半月板損傷や靭帯損傷を起こしたことがあるという人は、原因が明確です。特にスポーツをしている人は、日頃から膝関節に負担がかかる動作をしているので、軟骨の摩耗が進みやすいのです。
高齢者の病気と思われている変形性膝関節症ですが、ハードなスポーツをしている人や膝に負担がかかる仕事(例えば建設現場や引っ越し業者、配達員など)をしている人は、30代、40代でも発症リスクがあるので、注意が必要です。
 

加齢、肥満など慢性的な機械的ストレスによる一次性変形性膝関節症

240302_02.jpg
変形性膝関節症の約8割は、はっきりとした原因がわかりません。
40代から徐々に増え、60代、70代と患者数が増えていきますので、加齢が一つの原因と言えるでしょう。半月板損傷の原因でもお話ししましたが、年齢を重ねると身体の組織や機能は衰えていきます。膝関節の軟骨も年齢とともにもろくなり、衝撃をやわらげるクッションの機能が十分に働かなくなります。
加齢に伴い徐々に半月板が逸脱したり、損傷したりするために軟骨に機械的なストレスが加わるようになります。
脆弱化した軟骨に体重増加や姿勢の崩れなど膝への過度なストレスがかかると、どんどんすり減っていきます。すると、削られた軟骨の破片が骨膜を刺激し、異物が入ってきたと防御反応で炎症を起こして過剰に液体を分泌。「膝に水がたまる」というのは、この関節液が溜まっている状態のことです。
高齢の患者様を診察すると、半月板や軟骨がすり減って変形している方が多くいらっしゃいます。骨棘といってトゲのようなものができ、靭帯が切れているケースも多くみられます。
 

初期症状を見逃さず、早めに受診を

加齢によりもろくなってきた骨、軟骨に慢性的な荷重のストレスがかかることで、徐々に変形が進んでいきます。何年にもわたり炎症を繰り返し、60歳を超えると変形が顕著にあらわれてきます。初期は動作のはじめに違和感や痛みを覚える程度なので、見過ごしてしまう人も多いようです。
40歳を過ぎたら膝の違和感に敏感になりましょう。早めの治療で進行を食い止めることが期待できます。
 

膝のこわばり、曲げにくさを感じたら変形性膝関節症のはじまり

初期は、立ち上がるときや歩行開始時など、動きはじめに痛みを感じます。痛みで動けないほどではなく、なんとなく膝に引っかかりがある、膝がこわばる、膝がむくむ、曲げにくいといったものです。歩きはじめると痛みが自然とおさまるため、膝が痛かったことを忘れてしまいがちです。ここで、「あれ?」と思い、病院を受診できればいいのですが、「年だし…」「疲れているのかな」と、マッサージや湿布でやり過ごしてしまう人が多いようです。
歩行や、立ち上がりの際にお尻から太もも、足の付け根にかけて違和感がある場合には、膝ではなく股関節に問題がある場合があります。その場合にはこちらの記事も合わせて参考にしてみてください。股関節にも再生医療治療が有効な場合がありますので、病院に診察にいらしてください。
 

階段の上り下りがつらく、痛みが消えないのは中期症状

症状が進むと、歩行や階段の上り下りのときに痛みを自覚します。深くしゃがんだり、正座をしたりするのも困難に。しばらく安静にしていると痛みがやわらいできますが、炎症により水がたまって膝が腫れることもあります。
 

じっとしていても痛い、膝がぐらぐらするのは末期

軟骨がすり減ってほとんどなくなると大腿骨と脛骨が直接ぶつかり、激しい痛みを引き起こします。歩行時はもちろん、座っているだけ、寝ているだけでも痛いので、生活に支障をきたします。歩くのが困難なので、家に引きこもりがちになり、筋力が低下。膝を支える筋肉が弱くなるので、さらに不安定な状態になってしまいます。
 

画像検査で変形程度を確認

病院では、患者様がどんな時に痛むのか、痛みの程度について聞き出し、触診で関節の変形程度、硬さ、動きなどを確かめてから画像による診断を行います。
レントゲン検査が一般的で、関節の変形程度、軟骨の摩耗を「K-L分類」で、グレード0からグレード4まで5段階に分類されます。
グレード2以上なら変形性膝関節症と診断されます。ただし、画像で診た症状と、痛みの度合いが必ずしも比例するとは限りませんので、複合的に診断をします。
 
グレード0
異常が見られない関節
 
グレード1
骨同士の摩擦や変形によって発生するトゲ状の「骨棘」がわずかに見られる
 
グレード2
明らかに骨棘が生じている状態。また、軟骨と軟骨の間が狭くなっている可能性(25%以下)がある。
 
グレード3
中程度の骨棘が生じている。関節裂隙(れつげき)が狭まっている可能性(50~70%以下)があり、関節が硬化している。
 
グレード4
著しく骨棘が生じている状態にあり、関節裂隙が狭まっている可能性が75%以上ある。関節は著しく硬化し、関節の輪郭が明らかに変形している。
 
 
治療法については、次回以降に解説します。
 
<記事更新:2024年10月21日>
 
knees_2403_01.jpg
 
40代、50代になればなんとなく膝が痛い日が増えてくるもの。しかし、Vol.1でお話ししたように、「年だから膝が痛いのは仕方がない」ではなく、痛みの原因を取り除き日常生活の質を高めることが、健康寿命を延ばすために必要です。
今回は膝痛の原因の1つである、半月板損傷について松﨑医師が解説します。
 

本ブログの要約

このブログ記事では、アヴェニューセルクリニックの松﨑医師が半月板損傷について解説しています。半月板は膝関節内にある三日月状の線維軟骨で、衝撃を吸収し関節の安定性を保つ重要な役割を果たします。半月板損傷の主な原因は、スポーツや事故によるケガと加齢による変形や逸脱です。40代以降は半月板が脆弱化し、損傷リスクが高まります。症状には膝の痛み、引っかかり感、腫れなどがあります。治療法には保存療法と手術療法があり、近年は再生医療も選択肢に加わっています。早期発見・治療が重要で、放置すると変形性膝関節症に進行する可能性があります。
 
 

膝関節の仕組み

knees_2403_02.jpg
半月板損傷についてお話しする前に、膝関節の構造を簡単に説明しましょう。
膝関節はざっくり分けると、骨、軟骨、靭帯、筋肉、腱で構成されています。骨は、大腿骨(太ももの骨)と、脛骨(すねの骨)、腓骨(すねの細い骨)、そしてよく膝の皿と呼ぶ膝蓋骨です。
骨と骨を繋げているのが靭帯です。大腿骨と脛骨は前十字・後十字靭帯で繋がっています。骨と骨の接地面には、骨が擦れ合わないように弾力があり、ツルツルしている関節軟骨があります。この軟骨は硝子軟骨と呼ばれ、60~80%が水で構成され、血管がなく、痛みを感じる神経線維がないのが特徴です。半月板はそのすき間にある三日月状をしている組織で、内側と外側に一つずつあります。
関節軟骨の周囲は滑膜という薄い膜があり、関節液がつくられています。この関節液が軟骨同士がツルツル滑るように潤滑油の役割を担い、さらに関節内に酸素や栄養を送る働きをしています。
関節全体を覆うのが関節包。そのまわりに筋肉や靭帯、滑液包が存在します。
 
 

膝関節にかかる荷重、衝撃を分散してくれるのが半月板

スポーツ選手がケガをしたというニュースで耳にする「半月板損傷」。この半月板がどんな役割をしているか知っていますか?
半月板は前述のように膝関節の中にある三日月状の線維軟骨です。関節軟骨は硝子軟骨といって、Ⅱ型コラーゲンやヒアルロン酸などで構成されていて表面がツルツルしていますが、半月板はコラーゲン線維で構成された弾力のある線維軟骨。大腿骨と脛骨の間にあり、クッションの役割や、関節が動くときにグラグラしないように安定させる働きがあります。
膝がスムーズに動くのは、水分が多くツルツルした関節軟骨のおかげです。半月板は、骨と関節軟骨に荷重負担や衝撃がかからないように、緩衝材の役割を担っています。屈伸をするときに前後に動き、特に深く曲げると大きく移動します。
 
 

半月板損傷のおもな原因は2つ

knees_2403_03.jpg
半月板に亀裂が入ったり、欠損したりするのが半月板損傷です。
サッカーやバスケットボールなどハードなスポーツでは、半月板に大きな負担がかかりブチッと断裂するリスクが高くなります。しかし、特にスポーツ経験がなくても40代以降になると膝痛を抱える人が増えます。
半月板損傷の原因についてお話ししましょう。半月板損傷を疑うきっかけともなるので、「やってはいけないこと」「注意すべきこと」としても、よく理解をしておきましょう。
 
 

スポーツや事故によるケガ

半月板は膝関節にかかる衝撃をやわらげてくれる役割を担っています。高いジャンプをして着地する、スピーディに方向転換する、体がぶつかり合うなど激しいスポーツでは、半月板に大きな衝撃が加わります。特に深く膝を曲げ、勢いよく立ち上がるときにひねる動作が加わるとブチッと切れてしまうことがよくあります。特にサッカー選手などの半月板は、ボロボロ状態なことが多いのです。
また、歩行時など転倒して膝をケガした場合にも半月板に亀裂が入ることがあります。
 
 

加齢による半月板の変形や逸脱

運動習慣がある、ケガをしたことがある人でなくても、加齢に伴い半月板の弾力がなくなり、少しの衝撃でも損傷するリスクが高まります。
40代、50代にもなると肌の水分量が減り、潤いが失われていくのと同じように、膝関節の軟骨や半月板も水分がなくなりもろくなっています。
膝関節には歩行時で体重の2~3倍、階段の上り下りでは6〜7倍もかかっているといわれています。普通に生活しているだけで負荷がかかり、日々ダメージを受けているのです。加齢によって変形した半月板は、動くたびにこすれて摩耗していきます。ある日、しゃがんで立ち上がろうとしたとき、ブチッと切れてしまう、なんてことが起きるのです。
加齢による組織の機能低下に加え、慢性的な負担によって中高年になると傷つきやすいというわけです。また、大腿骨の形状なども加齢と共に変形していき、半月板に余計に荷重ストレスが加わることで、半月板が通常の位置から逸脱といって、はみ出ていく事も知られています。これによりさらにストレスが加わり断裂を来すこともあります。
 
 
 

「膝に引っかかりを感じたら」半月板損傷を疑って

ケガをした場合は、外傷や痛みがあるため病院を受診すると思いますが、中高年になり「なんとなく膝が痛い」くらいでは、そのまま放置することはよくあることです。
安静にしていると痛みがない、ときどき痛む程度でも整形外科を受診することをおすすめします。半月板の特に外側部分には血管があまりないので、一度損傷すると自然に治ることは望めない可能性があります。放置すると症状が悪化し、歩行困難になることもあるので早めの治療が大切です。
 
 

【半月板損傷症状チェック】症状があったらすぐに受診を!

「これくらいで病院に行くのは……」とためらう方もいらっしゃいますが、違和感があれば、迷わず受診してください。
特に次のような症状があれば、膝関節に何かしらの損傷があると思っていいでしょう。
 
□膝を動かすと音がなる
□屈伸するときに引っかかりがある
□膝が曲げづらい
□膝のまわりが腫れている
□階段を下りるときに膝がガクンとする
 
 

問診と画像検査で診断

どんなときに痛みが出るのか、痛みの程度などを患者様から聞き出し、触診や半月板を刺激するような徒手テストを行います。半月板損傷が疑われる場合、画像検査を行います。半月板はレントゲン画像には写らないため、MRI検査でどのような状態かを確かめます。
 
 

半月板損傷の早く治すための治療法

半月板損傷の治療には、保存療法と手術療法があります。すり減った軟骨の再生や早く直すための食事や食べ物などの情報や、近年では再生医療も選択肢に加わりましたが、そのお話は改めていたしましょう。
 
 

痛みや炎症を軽減する保存療法

初期の段階や損傷が軽度の場合は、飲み薬や湿布で炎症を抑えて痛みを軽減する保存療法を行います。
潤滑油の役割を果たすヒアルロン酸を関節内に注入することで骨同士の摩擦を防ぎ、痛みを軽減することができます。前回のテーマである膝痛を軽減するための体重管理と適度な運動も保存療法の1つです。理学療法士のもと、リハビリを行い、症状の悪化を防ぎます。膝に負荷がかからないよう体重を増やさないことも大切です。
これらの保存療法はつらい症状を緩和する「対症療法」なので、半月板の亀裂が修復できたわけではありません。一時的に痛みを軽減しただけなので、再発、悪化する場合もあります。
 
 

半月板の損傷の程度に合わせて手術-リハビリ

保存療法で症状が改善されない場合、手術を検討します。
断裂した半月板を取り除く「半月板切除術」と、損傷した部位を縫い合わせる「半月板縫合術」の主に2つの方法があります。
半月板がなくても大丈夫なの?と思われるかもしれません。実は、なくても膝関節は動かすことができます。関節軟骨があるので、骨同士の摩擦も防ぐことはできます。しかし、衝撃を吸収するクッションがなくなるので、関節軟骨への負担が大きくなり、早い段階で変形性膝関節症につながるリスクはあります。また、傷ついた半月板を縫い合わせても、再び断裂するおそれも。
手術療法は痛みや炎症がすぐに軽減できるメリットはありますが、パーフェクトな治療法ではないということです。さらに、手術の場合は入院が必要ですし、半月板縫合の場合にはその後のリハビリにも時間がかかり、普通の生活に戻るまで2~3カ月はかかるでしょう。高齢になれば体への負担も大きくなるでしょう。
 
特に40代以降は「ただの膝痛」と軽く考えず、膝に違和感を覚えたら専門医を受診するのが、健康な膝を守るために有効な手段です。放置しておくと、半月板損傷から変形性膝関節症へと症状がどんどん悪化してしまいます。
 
 

FAQ

Q1: 半月板損傷の主な原因は何ですか?

A1: 半月板損傷の主な原因は2つあります。1つ目はスポーツや事故によるケガです。激しい運動や転倒時に半月板に大きな衝撃が加わることで損傷が起こります。2つ目は加齢による半月板の変形や逸脱です。40代以降になると半月板の弾力が失われ、日常生活での負荷でも損傷するリスクが高まります。
 

Q2: 半月板損傷の症状にはどのようなものがありますか?

A2: 半月板損傷の主な症状には以下のようなものがあります:
  • 膝を動かすと音がする
  • 屈伸するときに引っかかりを感じる
  • 膝が曲げづらい
  • 膝のまわりが腫れる
  • 階段を下りるときに膝がガクンとする

これらの症状が見られる場合は、半月板損傷の可能性があるため、専門医の診察を受けることをお勧めします。

 

Q3: 半月板損傷の治療法にはどのようなものがありますか?

A3: 半月板損傷の治療法には主に保存療法と手術療法があります。保存療法では、薬物療法やヒアルロン酸注射、リハビリテーションなどを行います。症状が改善しない場合は手術療法を検討します。手術には半月板切除術と半月板縫合術があります。近年では再生医療も新たな選択肢として注目されています。治療法の選択は損傷の程度や患者の状態によって異なるため、専門医と相談して決定することが重要です。
 
 
<記事更新:2024年11月12日>
 

このアーカイブについて

このページには、2024年3月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2024年2月です。

次のアーカイブは2024年4月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。