2021年11月アーカイブ

天高く、馬肥ゆる秋。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、リンパ系疾患への新しい保険収載が決まった、ラパマイシンの発見に関するお話です。

 

本記事の要約

1964年、カナダの研究者がイースター島の土壌から放線菌を発見し、1972年にその抗生物質「ラパマイシン」を単離しました。元々は免疫抑制剤として利用されましたが、mTOR経路の作用を通じてがん治療やリンパ管腫への応用も進展。さらにマウスの老化抑制効果の報告もあり、幅広い可能性を秘めています。
 

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1964年、カナダの微生物学者のチームがイースター島で天然の抗生物質を生成する土壌微生物を発見しました。Suren N. Sehgal博士は1972年にこの微生物(放線菌)の作る抗生剤を分離し、大量生産することに成功。イースター島の地元の名前であるRapa Nui(ラパ ヌイ)に敬意を評して、ラパマイシンと名付けました。なんとかマイシンというと抗生剤の名前ですね。クラリスロマイシンとか、クリンダマイシン、ストレプトマイシンとか。土壌の放線菌から有効な成分が発見されるというと、2015年にノーベル賞を受賞した大村智先生のエベルメクチンに似ていますね。

 

さて、ラパマイシンの有効性はさらに研究され、mTOR経路というのが関わっていることがわかります。まるで川の上流から下流まで下っていくと、他の支流が見つかるように、この経路ならこの用途にも使えそう、という感じでしょうか。免疫抑制剤として使用され、さらに癌治療薬、今回のようなリンパ管腫など適応が広がっています。

 

このラパマイシンはマウスの老化に対しても有効だったという報告があります。

ほんまかいな、とつい突っ込みたくなりますが、本当ならすごいこと。不老長寿の薬、意外と足下(と言ってもイースター島でしたが!)にあるものなのかもしれませんね。そういえばエベルメクチンは静岡のゴルフ場だったようですね。もしかしたら近くの公園の土から、何か見つかるかも。。

芋掘りのシーズンですが、ちょっとくらい芋に残った土も、そう思うと嫌にならないかもしれません。もっとも、どうやって放線菌を見つけるかは今後勉強したいと思います。

 

ではまた!

 

(加藤基)

 

 

参考資料(今回はフルで英語なので、読みにくいかもしれませんが、日本語での文献が少なかったのでご容赦ください。)

 

Sick Papes Suren N. Sehgal

https://sickpapes.tumblr.com/post/81588052513/sickpapes-special-on-suren-n-sehgal-1932-2003

 

Tribute of Surendra Nath Sehgal

http://www.sehgal.net/surenshistory.htm

 

Wikipedia ラパマイシン

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%91%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%B3

 

<記事更新:2024年6月29日>
 
 

FAQ

Q1. ラパマイシンはどこで発見されたのですか?

A1. 1964年にイースター島(Rapa Nui)の土壌から採取された放線菌から発見されました。
 

Q2. ラパマイシンの主な用途は何ですか?

A2. 主に免疫抑制剤として使用されますが、mTOR経路を通じてがん治療やリンパ管腫治療にも活用されています。
 

Q3. 老化への効果は本当ですか?

A3. マウスで老化抑制効果が報告されており、「不老長寿の可能性」として研究が続けられています。
 

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