2020年3月アーカイブ

前回、ウイルスは生物ではありません!という話をしました。

さて、今回は細菌の話をしたいと思います。今の私たちにとって欠かすことのできない、大発見と微生物に命をかけた、ある男のストーリーです。

 

古代の大哲学者アリストテレスは(紀元前4世紀)、万物の観察の末、世界は生命の種であふれており、物質を使って生物は自然に発生すると唱えた。ミツバチやホタルは草の露から生まれる、と。(なんともロマンチックですね)以後、長年(約2000年!)にわたって、この生物自然発生説は常識とされてきました。

 

その後17世紀になって、一筋の疑義が唱えられます。フランシスコ・レディ。腐った魚を瓶の蓋を開けた状態と、密閉する蓋の代わりにガーゼで覆った状態。数日経つと、蓋のない瓶からはウジがわいた。彼自身は自然発生説を真っ向から否定しませんでしたが、比較対象(コントロール)を作って、反応の違いをみる、、という客観的な方法が画期的です。

 

そしてさらに200年近く時が経ち、19世紀。コッホによる炭疽菌の発見でも有名な、大いに細菌学が発展した時代。本日の主人公ルイ・パスツールの登場です。彼はコッホの発見に先立って、ワインの腐敗原因を調べるべく、研究を開始していました。白鳥の首フラスコで有名な実験(写真参照)を行なって、自然発生説は嘘だと結論づけ『自然発生説の検討』を1861年に発表します。

 

その後、今の私たちも恩恵を受けている、低温殺菌法を編み出します(1866年)。低温(100度以下)で加熱すると有害な菌の増殖を抑えられる、という方法で、牛乳パックなどに書いていることがあります。ぜひ見つけてみてください。これ、何がいいかっていうと、風味を保ったまま殺菌できるのが優れているんですね。他にもアルコール分を残すように、日本酒などにも使われ、彼の名前をとって低温殺菌法は英語で「パスチャライゼーション」と呼ばれます。今では技術がどんどん進んで低温殺菌では殺しきれない胞子菌をやっつけるために、今の主流は圧力をかけて行う超高温瞬間殺菌法のようですが、まさにその基礎を作った人なのです。

 

そのほか狂犬病ワクチンの開発を成功させたり、化学分野で実績を残したりと、多面的に活躍しました。その彼の有名な言葉に「科学に国境はないが、科学者には祖国がある。」

実はこの低温殺菌法、日本では500年も早く室町時代から「火入れ」と呼ばれて実践されてきました。トレビアーン、我が祖国 日本!

 

ではまた!

 

 

 

 

参考

アリストテレス wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B9

 

 

加藤先生ブログ9.jpg

白鳥の首フラスコ実験

啓林館 生物の起源と細胞の進化より引用

http://keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_2/contents/bi-2/3-bu/3-2-1.htm

 

一般社団法人 Jミルク

https://www.j-milk.jp/knowledge/products/hn0mvm0000005s3v.html

 

 

 

みなさん、こんにちは。

春うらら、陽気とともにウイルスも一気に吹き飛ばして欲しい、そう願う毎日です。

さて、ウイルスと細菌、よく耳にする言葉ですが、違い わかりますか?

 

(厳密には諸説ありますが)ざっくり言ってしまうと、ウイルスは生物ではなく、細菌は生物である、という点が最も違います。

じゃあ生物ってなに?ということになるかと思いますが、わかりやすい定義としては

「自ら増えることができる、栄養を作ることができる」というものです。

 

例えば、私たち人間は生物です。子供を作って増えることができますし、食事をとって体の中で栄養にすることができます。

同じように、ゾウリムシ。単細胞生物として有名ですが、彼らも分裂によって自ら増えることができて、光合成によって栄養を作ることができます。

そして「細胞」はその生物の一番シンプルな形で、生物全てが持っている構造です。

「僕らはみんな生きている」で始まる有名な童謡、「手のひらを太陽に」で出てくる生物は概ね虫ばかりですが、ゾウリムシだって、ミジンコだって、アメーバだって、みんな生きているんだ、と加えて欲しいところです。

 

話は戻りますが翻って、ウイルスは 自ら増えることができない、栄養を自ら作ることができない、のです。じゃあどうやってウイルスは増え続けるのか、と言いますと、細胞の力を借りて自らを増やす、ことで増殖するんです。このとき増えるためのエネルギーも細胞から、くすねます。

 

イメージですが、手作りのおにぎりが自慢の「細胞」マートというコンビニがあったとします。モットーは「誠心誠意」。みんな頑張って働いて今月もチェーン店が増えたぞーと思っていたら、しれっと従業員に混ざって入店し【ウイルス】君が【他力本願】というスローガンを社訓に加えていて、気付いたら新しく入った従業員までが【他力本願、他力・・、本願・・・!】と唱え出す。商品のおにぎりも食べちゃって、ついには店を出て、街に広がる。。。ウイルスはそんな太えやつなんです。

 

細胞をお店、ウイルスを人として例えましたが、実際の大きさもまさにそんなところで、だいたい細胞の1/100~1000の大きさです。(ちなみに細菌はもう少し大きくて、細胞の1/10くらい)

 

新型コロナウイルスを含む、多くのウイルスはとってもシンプルな形をしていて、膜と遺伝子しかありません。ですので小さくてもいいんですね。この膜ですが、入店時の変装のような作用をして細胞に入り込むときの役割を果たします。

70%エタノール(一般的な手指消毒薬)でこの膜はキズをつけることができると知られていますので、ご安心を。しっかりと手指消毒することで、変装を破り、入店拒否することができると考えられています。

 

細菌については、、これまた面白い19世紀の大発見と現代の私たちの食文化に関わりますので、次回以降にお伝えしたいと思います。

 

ではまた!

 

 

 

参考

サラヤ 感染と予防

https://pro.saraya.com/kansen-yobo/bacteria-virus/2019-nCoV.html

 

手のひらを太陽に 歌詞

http://j-lyric.net/artist/a00126c/l013251.html

 

今さら聞けない 「ウイルスと細菌と真菌の違い」

https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf

 

 

 

【Drもとい連載コラム】7.みりん

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医療用ゴム手袋の話から映画「パッチアダムス」の話題が前回出てきました。その後、久しぶりに再び映画を見てみました。時が経つと同じ映画も見える部分が違うもので、今回はあるフレーズが気になったので、ご紹介いたします。

 

それは、

「医者は患者と格が違うから、距離をとるべきであって、肩を並べるべきではない」という旧体制の医学教育に疑問を持ち、ユーモアで患者さんとの心通わす医療を目指す主人公の医学生(パッチアダムス)が、無料で診療するクリニックを建て、相互扶助的な会場で活動していました。この行為が退学に値する違法行為ではないか、「無免許で医療行為を行ったのか?」と問い詰められるシーンです。

主人公は「医療行為ではなく、手助けをした。患者さん同士でも、必要なことを手助けし合う。そういう意味で患者さんは同時に医者です。」と反論します。

 

診療を行っていると、患者さんから教えてもらうこと、というのは実は非常に多いのです。もちろん、心臓はこんな働きをしていて、血液量はこれくらいで、、などという教科書的な知識ではありません。患者さん自身が、実際に困っていることはこんなこと、解決法としてこれが良い、などといった、とても実践的な内容が診療(というより少し脱線も含めた会話)中に聞かれます。私自身、多くのことを患者さんから教えていただいて今があるし、これからも学びたいと思っています。

 

さてリンパ浮腫の診療をしていると、食事で気をつけることはありますか?と質問されることが時々あります。逆に気になさっている原因として、何か思い当たる食事はありますか?と伺うと思いのほか健康食品を取られている方が多いことに驚きます。

 

健康食品の中でも古くからあるものの一つに、「養命酒」があります。今回組成について調べているうちに面白いことを知りました。生薬(いわゆる漢方薬のもとになる様々な自然の物質)を「みりん」に浸したもの、だというのです。私にとって「みりん」が主成分というのは初耳で、和食好きな者として、少し調べてみることにしました。

 

みりんの原料は、もち米と米麹、アルコールです。熟成したのちに圧搾、濾過して造りますが、なんと14%ものアルコールを含んでいて、酒税法に則って課税されるとのことです。しかも歴史的には高級なお酒として元来は飲用であったとのこと。似たものでアルコール分が1%未満の「みりん風調味料」もありますが、あえて差をつけるためにアルコールが含まれるものを「本みりん」と呼ぶこともあるようです(下記、wikipediaより引用)。

 

一般の食卓に並ぶようになったのは戦後、昭和30年代だそうです。昭和といえば、そろそろ最終話のNHK連続ドラマ「スカーレット」もこの時代ですね。食も経済も豊かになって、いろんな新しいものが融合されていった時代。その後に生まれて、みりんの味を毎日のように楽しめて、良かったと思います。

 

ではまた!

 

(加藤基)

 

引用文献

Wikipedia みりん

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BF%E3%82%8A%E3%82%93

 

全国味淋協会

https://www.honmirin.org/

 

 

院内感染対策

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新型コロナウィルス感染症の患者数の増加が続いています。ついに、東京都でも週末の不要不急の外出を自粛するよう要請がなされました。また、医療機関での院内感染の事例も報告されています。

当院では、全職員を対象に感染対策を含めた医療安全全般について定期的に勉強会を行っており、幸い、これまで感染の事例はありません。今年2月の勉強会ではICT(infection control team)経験のある看護師を発表者として、院内感染対策を扱い、手洗いや防護服、マスクの着用、院内清掃などについて再確認しました。また、3月の勉強会は細胞治療におけるコンタミネーション(感染)、リスク管理を焦点にしています。

院内感染を防ぐためには、職員だけでなく、患者様にご協力いただくことも必要です。当院外来には患者様向けのアルコール製剤などを常備しておりますので、受診の際はご利用いただくよう、ご協力をお願いいたします。

 

 

前回、手洗いに関するコラムで手洗いをしすぎると手が荒れる、という話をしておりました。外科医の手洗い、と名付けて、その歴史に触れたわけですが、今回は手洗いが産んだ今では欠かせないものとある外科医の愛の物語を紹介したいと思います。

 

時は19世紀末、微生物学華やかなりし頃、医療現場でも手洗いの重要性が広く知れ渡ってきていました。しかし当時、診療はもちろんのこと、手術も素手で行っており、手洗い用の消毒薬も強力なもの(塩化水銀)を用いていたことから、皮膚炎を起こす医療者が次々と出ていたのです。アメリカの有名病院 ジョンズ・ホプキンス大学の手術室看護師であったキャロラインもその一人で、離職を考えるほどでした。

同僚のウィリアム・ハルステッドは天才外科医として名高く、さまざまな手術に名前を残した偉人の一人ですが、彼は彼女のために、この問題をなんとかできないかと一計を案じ、手先の感覚が残る、薄い医療用手袋を開発しました(と言ってもゴムの会社に作ってもらったようですが)。しかし二人は結婚、キャロラインは退職し、完成した手袋を彼女自身が使うことはなかったと言われています。

 

この時代から外科医と手術室看護師の恋愛、、あったんだなあと時代は変わっても似たものを感じます。

 

さてこのあとゴム手袋はラテックス製が出て、ディスポーザブルになり、現在に至るのですが、医療現場、、特に手術室では2枚重ねて手袋をつけることが推奨されることが増えてきました。針刺し事故、つまり注射針など患者さんに使ったものを医療者が間違って自分や他のスタッフに刺してしまうこと、が起きた場合に血液などを介した感染が起きにくくするためです。そんなおっちょこちょいな、、と思われるかもしれませんが、特に忙しい現場では(起こしてはならないのですが)起きてしまうことがあります。しかし2枚重ねるのは、手術中の外科医にとって指先の感覚が鈍くなるので、嫌がる先生もいます。私も顕微鏡下の細かい手術の時と、それ以外の時とで使い分けることがあります。

 

さて、この医療用手袋。今では、なくてはならないグッズになりました。医療現場を超えて様々な場面で目にすることも増えたように思います。

ちなみに、私はパッチアダムスの使い方が一番気に入っていて、たまに子供の前で披露しますが、思いのほか好評です。

ではまた!

(加藤基)

 

パッチアダムス.jpg

https://middle-edge.jp/articles/hZbPO

写真は上記ページより引用

 

 

 

再生医療等提供状況定期報告

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2020年2月までに、当院でおこなっている下記3件の治療計画について再生医療等提供状況定期報告が終了し、厚生労働省に受理されました。

 

難治性アトピー性皮膚炎に対する自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた静脈注射治療

・自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた靭帯・腱損傷治療

ざ瘡瘢痕に対する自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた静脈注射治療

 

 

 

 

 

 

ウイルス感染の話題で持ちきりの昨今ですが、みなさま体調はお変わりないでしょうか。

感染症に対して予防が大切!ということで、手洗い、うがいがインターネットでもたくさん出てくると思います。さて皆さん、正しい手洗い、していますか?

 

今日は私たち外科医が行う、プロの手洗いをお伝えしようと思います。

 

洗い方ですが、実はとっても簡単。ポイントは、親指・指の間・爪のスキマをしっかり洗うこと、です。

洗い残しチェックなど、手洗いの精度を見える化する方法が医療スタッフには行われます。歯医者さんなどで歯磨きした後にお薬でうがいすると、洗い残した部分が赤く残っている、、なんて経験のある方もいらっしゃると思います。その手洗い版です。職場が変わるごとに、若い先生では数年に1回程度研修を受けますが、みんないつも指摘される洗い残し、これが親指・指の間・爪のスキマです。手の甲とか手のひらは結構意識しなくてもしっかり洗えているものなんですよね。やっぱり歯磨きに似ているなあと思うのですが、習慣になってしまえば、きっと今日から実践できると思います。ぜひ活用してください。

 

さて、この手洗い、がんばりすぎると手荒れの原因となります。実は、アルコール消毒は石鹸で手洗いするよりも、手荒れのリスクが低いとWHO(世界保険機関)が明言しています。洗面所や石鹸などを設置することも不要なため、手が明らかに汚れている場合やトイレのあとなどを除いて、アルコールによる消毒が手洗いよりも推奨されています。商店から在庫がなくなるくらい、アルコールが一般化した今となっては、手洗いの重要性よりもこまめなアルコール消毒をしましょうという方が現実的になってきた気がします。

 

さて、外科医の手洗いですが、いつからされるようになったのでしょう。

医学の父とされるヒポクラテスは(BC460ごろ)創部の洗浄に一旦煮沸した水を使用していたそうですが、この頃まだ微生物という考え方がないので、手洗いは一般的ではなかったようです。1774年に塩素が発見されて以降、19世紀に入ってから消毒薬の開発と並行して、微生物学が発展しました。なかでも有名な話ですが、1847年以降にハンガリーのセンメルヴェイス医師が報告した「産褥熱の原因、概念および予防」。

 

当時お産後の産褥熱による死亡率が高く、原因もはっきりしていなかったのですが、クロール石灰(塩素消毒薬の元祖)を用いた手洗いを徹底したことで死亡率が12.3%から3.4%に低下した、というものです(ウィーン総合大学)。もちろん手洗いだけの問題ではなくて、「病理解剖が行われていた時期」に一致して死亡率が高かったようで、病理解剖した手を洗わずに産婦の診療にあたっていたとか。病理解剖を行わない病院での死亡率は変わりなかった、、ということのようですが。

衝撃の事実ですよね。消毒したら感染による死亡率が3分の1になる、と言われたら、、そりゃちゃんと消毒しなさいよ、先生。と思うでしょう。一方でこの説は当時すぐには受け入れられず、かなり痛烈な批判を浴びて発表した先生自身も精神を病んでしまったそうです。。

 

手洗いの話をしていると、私の好きな「ホ・ジュン」という医療系韓国ドラマでのワンシーンを思い出しました。漢方医として大作を完成させた歴史上実在した主人公(許浚)の一生を描いたドラマですが、師匠である医者が若い医師に印象的に語りかける場面です。「医師の手は、救いの手になることもあるが、逆に殺してしまうこともある」と言った内容だったと記憶しています。時代を考えると、彼は1600年ごろに生きた人ですので、細菌や医師の手による感染症の拡大など、学問として知っていたはずはないと思いますが、経験則なのでしょうか。。ホ・ジュンは韓国(ソウル市内)に記念館があります。一度だけ訪れたことがありますが、子供向けのフロアが充実していて、とても良い印象でした。

 

私も医師の端くれとして、学生の若い時分に「診察の前後で手洗い、消毒をしましょう」と教えられ、かれこれ20年近く実践してきています。奥深い歴史があったんだなあと思うと、自然と手洗いしたくなってきました。

ではまた!

(加藤基)

 

センメルヴェイス.jpg

センメルヴェイス博士

wikipediaより

 

 

参考になるHP

厚生労働省「正しい手の洗い方」

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf

WHO手指衛生ガイドライン

https://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2012/01/1201.pdf

 

最近何かと話題になっている、新型コロナウイルス(2019-nCoV)ですが、PCR検査という方法が保険適応になりました。(2020年3月6日付)ワイドショーなどで説明されることの多いPCR検査ですが、少し興味を持てそうな話題にギュッとまとめてお伝えできればと思います。

 

PCR検査ってなに?

簡単にいうと、PCRは、DNAのコピー器です。

 

特殊な酵素と短いDNA配列を混ぜた状態で、温度を高くして低くして、を繰り返すことで必要な部分のDNAが合成され、複製されるのです。

ご存知の方も多いと思いますが、DNAは、ながーい棒が2本くっついた状態で安定しています。この棒、4つの要素から成り立っていて(GCAT 「塩基」と言います)、横一列に並んでおり、塩基配列と呼ばれます。それぞれGはCとAはTと向かい合ってカップルになる、という性質を持っていますので、コピーしたい部分の前後できっちり塩基の対になるもの(「プライマー」と言います)、が用意できれば、必要な部分のコピーを作っていくことができるわけです。

実際には3つのステップがあって、温度を高くしたり、低くしたりを繰り返します。

  1. 2本別々に外れて、1本ずつになる
  2. プライマーがくっついて、コピー地点が決まる
  3. 必要な部分の塩基配列が伸びるように作成される

 

基本的には単純作業で、機械がやってくれます。必要なDNAの長さなどによって違いはありますが、様々な苦悩をへて、現在では1−3時間程度で完了できる、シンプルなものになりました。(ただし、コロナウィルスはRNAウィルスですので、PCRの前に逆転写(RNA→DNA)という過程が必要になります。)

 

さて、コロナウイルスのPCR検査ですが、このプライマー配列は既に公表されています。

保険適応になったとはいえ、検査できる施設はまだ限られているのでしょうか。政府発表の内容だけ見ると、小さな実験室でも機械と酵素さえあればできてしまう、気もします。

 

このPCRの原理を最初に発明・発表されたのは1983年。日本にディズニーランドやファミコンが登場した時代です。この成果によりノーベル化学賞を受賞したアメリカ人、キャリー・マリス氏は、思いついたときに彼女のジェニファーとドライブ中だったと言います。カリフォルニアでサーファーで、、功績もすごいですが、まつわる話がアメリカンドリームでいいですね。

では、また!

(加藤基)

 

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