2016年5月アーカイブ

リンパ浮腫の進行

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リンパ浮腫は進行するんでしょうか。クリニックにいらっしゃる患者さんからたびたびそのような質問を受けます。半分は当たってますが、最近の事情は少し違うようです。

近頃リンパ浮腫を治療されている医療関係者の方々と話をしていると、以前ほどは重症の患者を見かけなくなったということで意見が一致します。おそらくリンパ浮腫の治療技術が進歩したためと、患者さんがリンパ浮腫の情報に触れる機会が増えたためだと思われます。リンパ浮腫は早く治療を始めると、悪化を防ぐことができるといわれますが、それはなぜでしょう。

数年前になりますが、リンパ浮腫の進行に関してとても興味深い医学論文が発表されました。済生会病院の三原誠先生の論文です。

“Pathological Steps of Cancer-Related Lymphedema: Histological Changes in the Collecting Lymphatic Vessels after Lymphadenectomy”
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3404077/

リンパ浮腫の患者さんのリンパ管を顕微鏡で調べたところ、4段階の進行度に分類できることが分かりました(下図)。

1. 正常 
2. 拡張 (平滑筋がのびて太くなる)
3. 収縮 (平滑筋が厚くなって、内腔が細くなる)
4. 硬化 (壁が固くなって、リンパ液が漏れる)

 

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日韓形成外科学会で金沢日帰り

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開業の合間に学会出席するのは少し大変です。クリニックを閉じなくてはならないので。特にいまはクリニックオープン時期に重なるため、どうしようかと迷うところです。

そんな中、今週金沢で開催されたのが日韓形成外科学会です。少し遠いため参加するか迷ったのですが、国際学会ですし、パネリストをやらせて頂くということで有難くお引き受けすることにしました。

発表内容はマイクロサージャリーの合併症が術前の血液検査により予測できるというものです。指導していた大学院生を筆頭著者として、先日国際医学雑誌に投稿したばかりの内容です。一見地味な内容ですが、壇上でのDiscussionで恩師である座長の中塚貴志教授(埼玉医科大学)とDr. Dae Hyun Lew教授(Yonsei University)から将来のあたらしい創傷治療への発展性を示唆され、一定の評価を頂けたと思います。はるばる金沢まで来て発表した甲斐がありました。

同じパネリストの櫻庭実先生(国立がんセンター部長)、Dr. Ki (Inha University教授)、Dr. Choi(Seoul Asan Medical Center教授)の最新のマイクロサージャリー関連のご発表も、とても興味深く拝聴しました。

発表後は、韓国の先生方と情報交換をする絶好の機会、通常なら懇親会に出席するところですが、今回に限っては帰らなくてはなりません。この天気最高の週末に金沢-東京日帰りを果たしたのはたぶん自分だけではないかと思いましたが、クリニックが忙しくなってきたため仕方ないですね、、。駅でノドクロ丼をかっこんで、後ろ髪を引かれる思いで新幹線に飛び乗りました。

 

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⇒ 忙しくてゆっくりご飯も食べられない!?

当院では日頃お忙しいリンパ浮腫の患者様のために、「日帰りのリンパ管静脈吻合術」に力を入れています。詳しくは手術のページをご覧下さい。

 

 

リンパ浮腫はさまざまなアプローチで治療を行う必要があります。理学療法、運動療法、手術療法、薬物療法、食事療法…。下表はリンパ浮腫の病期*、ガイドライン**上の推奨グレードと、当院が採用している治療方針の関係です。

 

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たとえばStage II(四肢の挙上だけではほとんど組織の腫脹が改善しなくなり、圧痕がはっきりする)では、弾性着衣・弾性包帯、用手的リンパドレナージ、スキンケア、リンパ管静脈吻合という風に、治療が非常に多くなります。治療効果を最大限に期待するならば、全て行うのが良いでしょう。いろいろなアプローチを併用することを集学的治療とも言います。

当然のことながら、そこに関わる医療者の職種は多岐にわたりますので大変です。リンパ浮腫の治療が難しいのは、集学的治療のために職種をまたいでコミュニケーションを行うためです。当院は姉妹院を含めるとスタッフの数が50人に上ります。そこで、毎朝始業前に患者様ごとのブリーフィングをおこなって、情報を共有するようにしています。職種が違いますので、お互いの仕事内容を完全に理解した上で、打ち合わせに参加するように心がけています。

このような医療を「チーム医療」といいますが、「リンパ浮腫のチーム医療」のために、スタッフ皆が頑張ってくれています。

 

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☆リンパ浮腫のさまざまな治療のなかで、当院は、「日帰りのリンパ管静脈吻合術」に特に力を入れています。詳しくは手術のページをご覧下さい。

 

本ブログの要約

リンパ浮腫のむくみは肥満と深く関係しており、増加した脂肪細胞がリンパの流れを圧迫し、水分が溜まりやすくなります。特にBMIが30を超えると症状が悪化しやすいため、適切な体重管理が重要です。しかし、過度なダイエットは脱水状態を招き、手足の循環を悪化させる可能性があるため、水分と栄養のバランスを保つことが推奨されます。アヴェニューセルクリニックでは、リンパ浮腫患者向けに栄養指導や日帰り手術を提供しています。
 

リンパ浮腫と食事の関係:改善・予防のための食事療法

リンパ浮腫のむくみは、肥満によって大きく変動します。肥満によって体積の増えた脂肪細胞がリンパの流れを圧迫して、リンパ浮腫の部分に水分が集まりやすい傾向があります。体重が増えると、リンパ浮腫の部分だけ特に太るように感じることもあります。肥満の指標であるBMI(body mass index)が30(2度肥満)を超えるとリンパ浮腫が悪化しやすいとされています。下のグラフを参考にして、ご自分の適正体重を考えてみてください。

 

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リンパ浮腫の改善を目的とした体重コントロールの注意点と体重管理方法

体重をコントロールするのはとても重要ですが、一方で、過度なダイエットで脱水状態になるとかえって手足の循環が悪くなり、蜂窩織炎などを起こしかねません。水分は十分にとり、バランス良く栄養を摂取するようにしてください。

 

積極的に取り入れたい食べ物-リンパ浮腫の予防・食事制限の注意点

糖質(ごはん、パン、麺類、イモ類)の摂取が多すぎないか、野菜は十分に取れているか、逆に、糖質ダイエットなどの無理な食事制限をしていないか、食べる順序は工夫しているか、、。アヴェニューセルクリニックでは、リンパ浮腫の患者様で、体重増加にお悩みの方に対して栄養指導もおこなっています。

 

 

⇒ ダイエットなんて無理!?

当院では日頃お忙しいリンパ浮腫の患者様のために、日帰りでできるリンパ管静脈吻合術もおこなっています。詳しくは手術のページをご覧ください。

 

FAQ

Q1: リンパ浮腫の症状を悪化させる食べ物はありますか?

A1: 糖質の過剰摂取は肥満を招き、リンパの流れを圧迫する可能性があります。バランスの取れた食事を心掛け、糖質の摂取量に注意しましょう。
 

Q2: リンパ浮腫の予防に効果的な食事や栄養素は何ですか?

A2: 野菜を中心とした食事は、体重管理とリンパの流れの改善に役立ちます。特定の栄養素に偏らず、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。
 

Q3: リンパ浮腫の治療にはどのような方法がありますか?

A3: アヴェニューセルクリニックでは、日帰りで行えるリンパ管静脈吻合術などの手術を提供しています。詳細は専門医にご相談ください。
 
 
<記事更新:2025年4月12日>
 

婦人科腫瘍術後のリンパ浮腫

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下肢リンパ浮腫の原因として最も多いのは、婦人科腫瘍(子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌)の治療によるリンパ管閉塞です。2次性リンパ浮腫といって、生まれつき、もしくは、特に契機もなく発症する1次性リンパ浮腫と区別されています。2次性リンパ浮腫は治療を早めに始めたほうが、予後が良いことが分かっています。しかし、婦人科腫瘍治療後のリンパ浮腫に対して、日本ではまだまだ医療者側からの情報やケアの提供が足りない、もしくは遅い、と感じています。ある程度症状が進行してから、患者さんみずからが情報収集して医療機関に駆け込むことが多いのが実情です。「もう少し早く受診してもらえば…」と感じることも少なくありません。

そんな中、東京・御茶ノ水の杏雲堂病院では術後リンパ浮腫のケアに力を入れてゆくとのことです。その関連で次週、杏雲堂病院リハビリテーション科において、アヴェニューセルクリニックで行うリンパ管静脈吻合術についての講義をさせて頂くことになりました。杏雲堂病院は婦人科疾患の治療で、すでに大変有名ですが、リンパ浮腫のケアも加わってさらに行き届いたものになるはずです。このような取り組みが全国に広がることを願っています。

 

☆当院では長期入院できないリンパ浮腫の患者様のために、「日帰りのリンパ管静脈吻合術」に力を入れています。詳しくは手術のページをご覧下さい。

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