こんにちは、アヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤です。
美容皮膚科でご相談が多く寄せられるお悩みのひとつが「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」です。
シミ治療は、夏はなるべく避けた方がよいと言われていますが、紫外線対策をしっかりと行っていただければ、季節を問わず一年中受けていただける治療です。
しかし、夏は紫外線対策をしているつもりでも、うっかり日焼けをしてしまう可能性もあります。もし心配な方は、紫外線量が比較的少ない10月頃~3月頃までの間に治療を検討されるとよいでしょう。
『顔のシミが気になるけれど、どの治療が自分に合っているのか分からない』『美容クリニックは少し敷居が高い』と感じている方へ向けて、医師の視点から分かりやすく解説いたします。
他のシミ(肝斑やADMなど)についても詳しく知りたい方は、シミについての記事も併せてご覧ください。
老人性色素班とは?
老人性色素斑は、その名の通り加齢とともに目立ってくるシミです。
一般的に『シミ』と聞いて思い浮かべるものと思ってもよいでしょう。
また、長年の紫外線ダメージが蓄積してできるため「日光黒子(にっこうこくし)」や「日光性色素斑(にっこうせいしきそはん)」と呼ばれることもあります。

1-1 特徴
老人性色素斑は、見た目や色、シミができている場所など、他のシミと区別しやすい明確な特徴を持っています。
◆輪郭が明瞭(はっきりしている)
シミと周囲の肌との境界線がはっきりしています。
◆色
茶色から薄茶色で、均一な色味であることが多いです。
◆発生部位
顔だけでなく、手の甲、腕、首元など日光が当たりやすい部位に発生します。
◆サイズ
数ミリ程度の小さなものから、数センチ大の大きなものまで大小様々です。
1-2 原因
最も大きな原因は「紫外線(日焼け)」です。
紫外線を浴びると、肌の奥にあるメラノサイトが肌を守ろうとして、シミの元となるメラニンを生成します。
通常、生成されたメラニンは肌のターンオーバー(新陳代謝)によって、体外へ排出をされます。
しかし、加齢・生活習慣の乱れなどによってターンオーバーの周期が乱れると、肌に色素が残りやすい状態になります。その間もメラニン生成が繰り返され、排出されずに蓄積していくと、肌表面にシミとなって現れます。
また、日々のスキンケアでの摩擦でも炎症を引き起こし、シミを濃くする一因となるため注意が必要です。
1-3「肝斑」との見分け方


肝斑も非常にご相談が多いシミ悩みのひとつです。
肝斑は、30~40代の女性に多く見られ、両頬に左右対称にでき、輪郭がぼんやりとしていることが特徴です。色は濃淡のムラがあることが多いため”くすみ”と間違われる方もいらっしゃるかもしれません。
老人性色素斑と肝斑は、治療方法が異なり、強いレーザーを肝斑に照射してしまうと、悪化してしまうリスクがあります。
もし、肝斑と老人性色素斑が混在している場合は、まず刺激に弱い肝斑の治療を優先し、肌の状態を落ち着かせたから老人性色素斑の治療に進むのが理想的です。
主な見分け方のポイントは、次の2点です。
①発生部位
シミ:規則性はなく、日光が当たる部位
肝斑:両頬に左右対称に現れることが多い
②輪郭
シミ:明瞭(はっきりしている)
肝斑:不明瞭(ぼんやり、もやっとした形)
老人性色素班の治療方法
機械によるシミ治療は、大きく「光治療」と「レーザー治療」に分かれます。
2-1 マイルドな光治療
光治療は施術後すぐにお化粧ができるくらいダウンタイムが少なく、日常生活にもほぼ支障が出ないというメリットがあります。
黒い色素に反応をするため、日焼けしている肌には照射ができません。
もし日焼けをされている場合は、日焼けの色が抜けるのを待つか、事前にトーニング治療で肌を落ち着かせてから、次のステップで光治療を行うことをおすすめしています。
治療回数は、個人差がありますが、3-6回程度必要となります。
照射後は、反応したシミが一時的に煤(すす)状に濃くなり、徐々にはがれて薄くなっていきます。テープを貼る必要はありません。
シミの数が多い場合や、顔の広範囲にシミがある場合は、光治療をまずやってみるというのがよいかもしれません。
アヴェニュークリニックでは、ライムライト・アキュチップがあります。
2-2 アグレッシブなレーザー治療
次に、レーザー治療についてです。強い出力でピンポイントでレーザーを当てるため、施術部位が黒く反応し、1~2週間程度かさぶたをテープで保護していただくダウンタイムが生じます。かさぶたは自然に剥がれ落ちるため、無理にはがさないようにしてください。強い出力で当てる分、1回の効果が高いというのがメリットです。
老人性色素斑の場合、シミの濃さや肌質にもよりますが、1-2回程度の治療でご満足される方が多いです。
1個~数個、数えられる程度のシミの場合は、レーザー治療をご提案しています。逆に、顔全体にシミがある場合は、レーザーは不向きな治療かもしれません。
2-3 体にできた場合の治療方法
基本的には手の甲や腕など、体のシミも施術可能ですが、体の皮膚は顔に比べてターンオーバーが遅いため、ダウンタイムが長引いたり、炎症後色素沈着が残りやすかったりする傾向があります。
肌質も体と顔では異なるため、顔と同じシミ治療を行うことで同じ結果が得られるとは言えないかもしれません。ハイドロキノンなどの外用薬を併用しながら慎重に治療を進めるとよいでしょう。
2-4 自分に適した治療の選択肢を
ドラッグストアなど販売されているシミ取りクリームは、有効成分の濃度が低いことがほとんどなため、即効性や想像されるような高い効果は期待しにくいかもしれません。
ただ、全く意味がないということはありません。塗ってみて経過を見ながら、クリニック受診を検討されるというのも一つの選択肢です。
シミは病気ではないため、基本的に保険適用外となります。シミを根本的になくして、見た目を改善したいという場合は、基本的に美容クリニックという選択になります。
2-5 治療後に気を付けたいポイント

シミ治療を行っても、その後のケアを怠ってしまうと再発や悪化を招く恐れがあります。治療後のデリケートな肌を守るための2大ポイントをご紹介します。
- 徹底的な紫外線対策
紫外線を浴びると、再発や炎症後色素沈着のリスクが高くなります。
日焼け止め、帽子、日傘などで対策を徹底しましょう。
『紫外線対策にあまり自信がない…』という方は、比較的紫外線の弱い秋~冬にかけて治療をされると安心かもしれません。 - 十分な保湿ケア
レーザーや光の熱ダメージによって、肌のバリア機能が一時的に低下し、保湿機能も落ちてしまうため、通常よりも乾燥しやすい状態となります。1週間程度はいつものケア+αの入念な保湿ケアを心がけてください。
老人性色素班を作らないための対策
最も重要なのは、やはり「紫外線を浴びないこと」です。
少し面倒でも外出前には日焼け止めを塗りましょう。一度塗れば一日中効果が続くというわけではありませんので、日中もできる限りこまめに塗り直しをおすすめします。
また、ソルプロプリュスホワイトやヘリオケア360°などの飲む日焼け止めを併用するのもよいでしょう。
プラスして、帽子や日傘などの紫外線対策グッズも活用なさってください。
その他は、
- 肌に触れる時は優しく。洗顔やスキンケアの際、ゴシゴシと擦る行為はNG
- ビタミンC・ビタミンEなどを内服し、内側からもケアをする
基本的なことをコツコツと続けていただければと思います。
シミ治療を行いたい方へ
老人性色素斑は、適切なケアによって大きく改善が見込めるシミです。
当院のシミ治療は、肌状態や患者さまのライフスタイル、ダウンタイムをどの程度まで許容できるかなどをカウンセリングで丁寧におうかがいし、ご希望に沿った治療方針をご提案するように心がけています。
「このシミの種類にはこの治療」といったようにある程度は治療方法を絞ることができます。
しかし、それが必ずしもすべての人に当てはまるということではありませんので、患者さまと医師、1:1の対応は重要であると考えます。シミにお悩みの方は是非ご相談ください。
Dr. PROFILE
佐藤 卓士(さとう たかし)

京都大学農学部卒業 農学修士
九州大学医学部卒業 医学博士
岡山大学医学部付属病院 勤務
杏林大学医学部付属病院 勤務
都立大塚病院形成外科 勤務
2018年 アヴェニュー表参道クリニック 院長就任
日本専門医機構認定形成外科専門医
日本レーザー医学会認定レーザー専門医
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