ご挨拶
こんにちは、アヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤です。
当院は表参道駅A4出口から徒歩1分の形成外科・皮膚科クリニックです。
始まりは2002年にアヴェニュー六本木クリニックを開院し、続いて2004年にアヴェニュー表参道クリニックを開院。アヴェニュー表参道クリニックは昨年20周年を迎えることができました。現在、年間約1万人の患者様の診療を行っております。
この度、コラムを通して当院の専門分野である形成外科や皮膚科に関連する美容情報を発信することとなりました。初心者の方にも分かりやすく情報をお届けできるよう努めてまいります。
記念すべき第1回目のテーマは、老若男女誰もが悩みうる可能性がある「シミ」についてお話しいたします。

年齢を重ねるにつれ、いつの間にかできてしまった顔のシミ。
濃いシミがあったり、薄いぼやっとしたシミがあったり、自分には何のシミがあって、どういう治療をしたら改善されるのか、ご自身で判断をされるのはなかなか難しいかもしれません。
そこで、シミにはどんな種類があるのか、特徴や見た目、治療法などどのように違いがあるのかを解説させていただきます。
シミのメカニズムについて
まずは、シミができるメカニズムを解説いたします。
紫外線やゴシゴシ洗顔などの外的な刺激によって、表皮にあるメラノサイトからメラニンが生成されます。このメラニンがシミの元となります。
通常、メラニンは肌のターンオーバーによって体外へ排出されます。
しかし、紫外線を浴び続けて大量のメラニンが生成されたり、肌のターンオーバーが乱れて正常に働いていなかったりすると、排出が追いつかず、メラニンが肌に蓄積します。
その結果、やがてシミとして表面に現れるようになります。
シミの種類
シミと言ってもいくつかの種類があり、今回具体的にお話するのは以下の5種類についてです。それでは早速、解説していきます。
3-1 老人性色素班

まずは、老人性色素班。いわゆる「シミ」と呼ばれるものはこちらに該当します。
境界線がはっきりとした円形や楕円形の茶色いシミで、紫外線や加齢が原因でできることが多いです。
シミは表皮の中にあるメラニンが紫外線やゴシゴシ洗顔など、外的な刺激を与えられ蓄積することでできます。
治療法は、ダウンタイムが気にならない方であれば、レーザー治療が効果的です。当院であれば「Qスイッチレーザー」が該当します。
レーザー治療のダウンタイムは、1〜2週間程度レーザーを照射した箇所へテープを貼っていただく必要があります。
照射部にかさぶたができますので、刺激を与えたり、無理に剝がしたりすることのないようテープで保護し、適切なタイミングで剝がします。ダウンタイムが発生する分、一度の施術で目に見える効果を期待できます。
また、ダウンタイム少なくシミ治療を受けたい場合は『光治療』がおすすめです。当院であれば「ライムライト」「アキュチップ」が該当します。
光治療は、施術直後からメイクが可能で、照射部にテープを貼る必要がないため、顔の広範囲のシミ治療に適しています。シミの数が多い場合は、まずは光治療から始めてみるのが良いでしょう。
患者様によってダウンタイムを設けられるか異なるため、ご希望によって治療方法選択しています。
3-2 そばかす

そばかすは、小さな茶色い斑点、約2,3mmくらいの小さなシミで、頬から鼻の鼻根部に散らばる特徴があります。そばかすは遺伝的要因が強く、色白の方に多く見られ、小学生・中学生時代からそばかすがある方もいらっしゃいます。
治療法は、老人性色素班同様に、レーザー治療や光治療が効果的です。当院であればレーザー治療は「レーザーブライトニング」、光治療は「ライムライト」が該当します。
シミが綺麗になる過程は老人性色素斑とはやや異なり、そばかすの方が大きさが小さく細かいため、黒いススっぽい状態になり、ぽろぽろと剥がれていくイメージで綺麗になっていきます。
3-3 肝斑

肝斑は、両頬に左右対称に現れる輪郭が不明瞭な茶色いシミで、見た目は地図にハケで塗ったようなイメージです。肝斑ができる要因としては、主にホルモンバランスの乱れが関与しており、30~40代の女性によく見られます。
また、50~60代になってくると女性ホルモンの作用が減ってくる関係で、自然に肝斑も落ち着いていきます。ただ、肝斑があることでメラニン成分がたまりやすいため、50~60代になっても残ってしまう方もいらっしゃいます。
肝斑の治療法は、トラネキサム酸の内服や、マイルドなレーザー治療が効果的です。当院であれば「レーザーブライトニング」が該当します。
強いレーザーは刺激を与えることになり、逆に肝斑が濃くなってしまう場合もあるため、注意が必要です。
3-4 ADM

ADMとは、「後天性真皮メラノサイトーシス」とも呼ばれます。これは茶色やグレーがかったドット状のシミで、青アザに近い見た目です。肝斑と出やすい箇所が似ているため、重なって現れることもあります。
ADMができる要因として、そもそもシミは表皮の中にあるメラニンが蓄積することでできますが、ADMは表皮より深い真皮にメラニンがなんらかの原因で溜まるからできるのです。
通常は真皮にメラノサイトは認められませんが、ADMでは真皮にメラノサイトが認められるようになります。
ADMは20代後半~40代に出ることが多いです。肝斑と違い自然と薄くならないため治療が必要です。
治療法は、表皮より更に深い真皮にメラニンが沈着しているため、強いレーザー治療のみ有効です。光治療では効果が期待できないため、しっかりとしたアプローチが求められます。
タトゥーを除去する治療と同じで、強いレーザーを照射しメラニンを破壊して、体外へ排出していきます。当院だと「Qスイッチレーザー」が該当します。
3-5 炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、ニキビ跡やケガ、やけどの後に残る茶色いシミで、炎症によってメラニンが過剰に生成されてできるものです。基本的には半年~1年程かけて徐々に薄くなっていきますが、定着してしまう場合もあります。
治療法は「レーザーブライトニング」のような マイルドなレーザー治療や美白外用薬が効果的です。強いレーザーなどの治療は刺激となり逆に濃くなってしまう場合があるため避けた方がいいですね。
シミの種類と治療対応表
シミの種類と治療対応表

◎:非常に良い、〇:良い、△:効果が弱いあるいは限定的、×:禁忌あるいは効果なし
内服薬・外用薬を含むシミ治療全般について
5-1 機械を使った治療
機械を使用した治療には、『光治療』と『レーザー治療』があります。
光治療は、レーザー治療よりも出力が弱い治療で、治療後もテープを貼る必要がないため、顔の広範囲のシミ治療に適しています。ダウンタイムが気になる方は光治療がおすすめです。
当院では「ライムライト 」(全顔照射)、「アキュチップ 」(スポット照射)が該当します。
レーザー治療はシミの種類や深さに応じてメラニンを破壊できますし、ダウンタイムとして照射部にテープを貼る必要があるものの、1回の治療での効果が高いです。
当院では「Qスイッチレーザー」が該当します。
5-2 内服薬・外用薬
内服薬としては、ビタミンCやトラネキサム酸が効果的です。ビタミンCは美白・美肌効果を発揮し、トラネキサム酸は炎症を抑える作用があるため、メラニンの生成を抑えることができます。体の内側からシミの改善や予防に役立ちます。
これらは基礎疾患のない方であれば、飲み続けても身体に支障はありません。
外用薬としては当院で取り扱っているもので言うと、ハイドロキノンやビタミンC誘導体、ビタミンA誘導体(レチノイン酸)があります。
ハイドロキノンやビタミンC誘導体はメラニン生成を抑制するもので、ビタミンA誘導体であるレチノイン酸は肌のターンオーバーを早めてメラニンの排出を促進してくれます。
どれもレーザー治療や光治療と並行して使用いただくことで、より早く効果を実感しやすいです。

シミの種類と治療法のまとめ
シミの治療は、種類や状態に応じた適切なアプローチが不可欠です。
専門医と相談し、ご自身に合った治療法を選択することで、シミを改善し、若々しい肌を取り戻すことができます。当院ではカウンセリングを無料でおこなっております。
カウンセラーを設けず医師が直接患者様の肌状態を確認しながらカウンセリングいたします。
シミ治療でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
Dr. PROFILE
佐藤 卓士(さとう たかし)

京都大学農学部卒業 農学修士
九州大学医学部卒業 医学博士
岡山大学医学部付属病院 勤務
杏林大学医学部付属病院 勤務
都立大塚病院形成外科 勤務
2018年 アヴェニュー表参道クリニック 院長就任
日本専門医機構認定形成外科専門医
日本レーザー医学会認定レーザー専門医
アヴェニュー表参道クリニック
東京都港区南青山3-18-16 ル・ボワビル4階
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アヴェニュー六本木クリニック
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