こんにちは。アヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤です。
今回は初回テーマであった“シミ”の一種である「肝斑」について詳しく解説いたします。
シミの原因は「紫外線」とよく耳にされると思いますが、肝斑は紫外線だけでなく、ホルモンバランスの乱れが要因で現れることがあるシミです。
間違った治療を行うと悪化の恐れがあります。自己判断で理想の肌から遠のいてしまうことは避けたいため、肝斑治療を検討されている方は是非参考にしていただければと思います。
そして、シミ治療・肝斑治療の際は必ず医師に相談しましょう。
他のシミについても知りたい方は、シミについての記事をぜひご覧ください。
肝斑とは?

肝斑(かんぱん)は、顔に現れる茶色いシミの一種で、特に女性に多く見られます。特徴は、両頬に左右対称に現れ、輪郭ははっきりせず、モヤっと広がったような形状をしています。
一般的には、頬骨あたりに現れることが多いのですが、額や口周りにもくすみのように現れることがあります。
また、肝斑は身体にはほとんど現れず、まぶたにはできないと言われています。
1-1 肝斑ができる原因
肝斑の主な原因は女性ホルモンの乱れによるものです。ストレスや生活習慣の乱れも一因となります。
肝斑は20代で現れることもありますが、ホルモンバランスが乱れがちな30代後半〜40代くらいの女性に多くみられる傾向にあります。
さらに、紫外線や洗顔時のこすり洗いなどの刺激が肝斑を悪化させることがあります。
つまり、女性ホルモンの影響を中心に、ストレスや生活習慣、外的刺激が複合的に関与しています。
また、男性も女性ホルモンを出すため稀に肝斑が発生することがあります。発生箇所は女性と同様です。女性に比べて肝斑の発生確率は低めですが、くすみのようにモヤっとしたシミを感じたら肝斑の可能性が高いでしょう。
1-2 肝斑と他のシミとの違い
肝斑と一般的なシミ(老人性色素班)は似ています。見分け方は以下の通りです。
肝斑
・左右対称に広がる
・輪郭がぼんやりしている
・広範囲にわたる(頬や額、口周りなど、顔の広い範囲に現れることが多い)
シミ
・左右対称にできることは少ない
・輪郭がはっきりしている
・スポット状に現れる(広範囲には広がらず、個別のシミとして現れる)
内服薬・外用薬を含む肝斑の治療法について
2-1 機械を使った治療
レーザートーニングによる治療が効果的です。当院ならレーザーブライトニングが該当します。
マイルドな出力のレーザーを短期間で繰り返し照射します。こうすることで肝斑を少しずつ薄くしていくことができます。強い出力のレーザーや光治療は刺激となり、逆に肝斑の悪化につながる恐れがあるため治療には注意が必要です。
肝斑を一度で綺麗にすることは難しく、治療には時間と根気が必要です。
2-2 内服薬・外用薬・スキンケア

内服薬は、ビタミンCとトラネキサム酸が効果的です。
ビタミンCは美白・美肌効果を発揮し、トラネキサム酸は炎症を抑える作用があるため、メラニンの生成を抑えることができます。体の内側からシミの改善や予防に役立ちます。
これらは健康な方であればずっと飲んでいても身体に支障はありません。
外用薬は当院で取り扱いがあるもので言うと、ハイドロキノン、トレチノインが効果的です。
ハイドロキノンはメラニン生成を抑制するもので、トレチノインは肌のターンオーバーを早めてメラニンの排出を促進してくれます。
どれもレーザー治療と並行して使用いただくと、より早く効果を実感しやすいです。
また、スキンケアならばビタミンC誘導体(浸透力がビタミンCに比べて高く、メラニン生成を抑制するもの)入っているものがおすすめです。
肝斑治療における注意点

先ほども少しでてきましたが、肝斑治療において、強い出力でのレーザー治療や光治療は注意が必要です。肝斑の発生箇所では常にメラニンが生成されている状態であり、そこに強い熱や光を加えると刺激として作用し、逆に肝斑が濃くなってしまうことがあるからです。
特に、強い刺激によって炎症が引き起こされると治療後に「炎症性色素沈着」が生じやすくなります。だからこそ、メラニンを破壊するための出力を最低限に抑え、炎症を最小限にとどめつつ、徐々に肝斑を薄くできるレーザートーニングが最適な治療法と言えます。
肝斑の予防法
発生要因としてホルモンが関係している肝斑ですが、シミの一種なので、日焼け止めを使用し紫外線対策をすることは基本の予防方法です。
また、ホルモンバランスを崩さないようなストレスフリーな生活や健康的な生活習慣を心がけること。洗顔時はごしごし洗いやこすり洗いを見直し、物理的な刺激を与えないよう気を付けてください。
まとめ
肝斑の場合、身体の内側が関係しているため、治療は時間がかかります。ですが、諦めずに継続して治療をおこなうことで薄くすることができます。
根気は必要ですが、私も最大限尽力したいと考えておりますのでお悩みの方は是非ご相談にいらしてください。
Dr. PROFILE
佐藤 卓士(さとう たかし)

京都大学農学部卒業 農学修士
九州大学医学部卒業 医学博士
岡山大学医学部付属病院 勤務
杏林大学医学部付属病院 勤務
都立大塚病院形成外科 勤務
2018年 アヴェニュー表参道クリニック 院長就任
日本専門医機構認定形成外科専門医
日本レーザー医学会認定レーザー専門医
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